黒潮丸のガーデン読書録

 

書名:安曇野の白い庭 著者:丸山健二 出版社:新潮社
発行年月:2000・4 価格:1600 頁数:169
読んだ理由:小説家が庭作りに魅入られて、それを書いて評判の本だから
 
読んだ日:02・11 推薦度:☆
内容:
小説家丸山健二が東京から故郷の信州に引き揚げ、祖父のりんご園跡地に家を建て、しだいに庭作りにのめり込んでゆく話である。当初の広さは350坪。
趣味は次第にエスカレートし、ついに白馬村に新しい土地を求めて家を建てるに至る。

樹に惚れ込んでみたり、植えたり、抜いたり、英国風ホワイトガーデンに入れあげたり、いろいろ書くだけ書いている。さすが文筆家である。
実際に庭を見たことはないし、写真も少ないので具体的な姿は判らない。
彼の思い入れに必ずしも同感するばかりではないし、何を今更という程度のことも書いている。

都会の人はどんなに素晴らしい庭かとイメージするのだろうが、伊豆に住む私にはそれほどの庭とは考えられないのである。
350坪はそれほどの広さではない。しかしこれをガーデンに作るには大変な技量と経験が必要だ。

彼が庭師に注文をつけるのならいい、指図するのならいい。彼が自分で作るのなら、それは素人作りで、他人に語ることではないだろう。
庭に来てくれ、見てくれ、もいい。本当に素敵な庭かもしれない。客を招く気持ちは大切だ。

だが庭への思いと、庭作りの経過を1600円で読まされて、爽快ではなかった。
これが小説として書かれたのなら、それを買うか買わないかは自己責任である。

 

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