黒潮丸のガーデン読書録

 

書名:造園を読む−ランドスケープの四季 著者:進士五十八、白幡洋三郎・編 出版社:彰国社
発行年月:1993・4 価格:2400円 頁数:261
読んだ理由:
<まえがき>に、「造園界にこれまで欠けていたのはもっとも大事な《顧客》である庭園や公園の利用者、風景や植物の愛好者への情報提供だったと思う。」「こうして珍しい一般向け読み物事典が出来上がった。」とあったので興味をひかれた。
 
読んだ日:03・7  
内容:

最初に<造園>の関わる分野として次の項目を挙げる。
個人住宅の庭造り・公園の設計施工や街路樹管理など・国立公園などの指定や管理・植物の栽培育成・自然保護・風景景観の保全・環境保全のアセスメント・庭園の歴史研究・考古学的発掘・各国の公園緑地制度の研究・開発と自然保護・町づくり
ガーデンデザインの勉強とはここまで含むものかと感銘を受けた。


執筆者は30名の名前が出ているが、28名が大学関係者である。
各項目1頁に限り、188項目ある。編者は出来るだけ<判りやすく>書くことを執筆者に要求したようだが、1頁に限ることでそれが実現した。
それにしてもやはり学者であるから、物の考え方が造園実務者やガーデン愛好家とは違う。そこが面白かった。

また公園や緑地に関する法律面からのアプローチなど、これまで考えたこともない分野であり、眼を開かされた。

多くのガーデンデザイナーが「ガーデンデザイナー」ではなく「ランドスケープアーキテクチャー」と名乗る理由がいくらか判った。

 

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